2、白蛇の妖神(正史)


神話と呼ばれる時代の出来事です。。
皇族(当時は豪族でしたが)の方々はとても困っていました。

彼の方々の想いは一つです。
ーこの国を一つにしたいー

今、この国は、たくさんの種族が混じり、それぞれが好き勝手に
自分たちの土地を大きくするために、争っています。
そのために、本来なら、傷つかなくてもいい農民や、貴族たちまで戦争に参加しなくてはいけません。

そして、一部の人間の矜持や、傲慢、物欲の為になくしてはならない、大切な命がたくさん、この国で消えていきます。

そこで、皇族の方々は考えます。
どうすれば、この国を、一つの意思の元、すばらしい国家へと、変えられるのか。

人としても、国を統べる皇としても、すばらしい人に
皆を指導し、率いてもらえばいいのだと。
そして、それが出来るのは、皇族の方々しか、いないのだと。

そう決めてからの、皇族の方々の勢いは、すばらしいものでした。
時には和解を求める話し合いの場を設け
それでもダメな時は、心を痛めながらも、武力で

次々と地方の豪族たちを、傘下にし、見事に従えていきました。

南方の国々を平定し終え、北方へ勢力を伸ばそうとした時期です。
北方で、名の知れた豪族たちを討伐しようとした時のこと。

その豪族たちの住む村は、皇族の方々からすると
とても大きな山を越えなければ、攻め入ることが出来ませんでした。

この山を迂回しようとすると、とても長い間、行軍しなくてはなりません。
しかも、待ち伏せをするにふさわしい、一本道。
数々の罠や、卑怯な不意打ちをうけ、さすがの皇族の方々も
撤退せざる終えなくなりました。

それでも、少しづつ、北に向けて勢力を伸ばしていましたが
山の向こうにいる、豪族だけは、支配できずにいました。

そんな時、一人の若者が、一つの道を指し示しました。
迂回が厳しいなら、山の中を通っていけばいい、と。
途中に中継地点を設ければ、直線で結べば
敵陣までたいした距離ではありません。

しかし、皇族の方々は迷っていました。
その山には、問題があるからです。

天を貫くほどの、巨大な蛇がすんでおり、無断でその山に入ると
必ず道に迷い、そのまま死んでしまうか、山のふもとに戻されてしまうという
言い伝えがあるのです。

ならば、と若者は言います。
ー自分が事の真偽を確かめて参りましょうー

そんな怪異など、あるはずがない、と若者はいいます。

しかし、賢い皇族の方々は知っていたのです。
この世には、人の知らない世界がある。
人が踏み込んではいけない領域がある。
たとえ、皇族の方々でも、触れてはいけない、異形の神々がいる。

それを知っているからこそ、迷っていたのです。
しかし、若者は、皇族の方々の御謹言も聞かず
たんどくで、その山へと、入ってしまいました。

(その結果は、神社の創生参照のこと)

国に戻った若者は、早速、皇に報告します。
山の中には、村があること。
その村へたどり着くすべを彼は見つけたこと。
この村を、中継地点として、北方の豪族を攻めればいいと。

皇族の方々は考えました。
たとえ、一つでも、見逃している村落があると、この国を真に
平定したことにはならないのではないのか、と。

確かに、異形がこの世にいることはご存知でした。
しかし、それをなんとかして、南方を平定してきたのも事実です。


そして、皇は決断をします。
兵を集め、その村を、皇の名の下に、従わせよ、と。

・・・続く。


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